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大津市一里山『釜ゆでパスタ&甘味 凛じろう 和モダンのリノベーション』vol.3<完成編>

大津市の商業施設「FOLEO」の中にある
パスタ店「凜じろう」様のリノベーション。
今回はいよいよ完成編をお届けします。

前回のお話→vol.1 vol.2

今回の「凜じろう」様のリノベーションでは
「明るく親しみの持てる、開放的な店舗に」という施主様のご希望を受け、
無垢材と竹、天然の素材を使った、明るく繊細な店舗デザインをご提案いたしました。

そして完成した店舗はこちら。

外から店内がよく見え、開放的で入りやすいイメージを作り出すため
店舗の間口をかなり広く設計いたしました。

店舗に向かって左側の厨房に面した部分は、ガラス張りになっています。
なんといっても凛じろう様の魅力は「大釜でぐらぐら茹でるパスタ」。
そこで、ガラスのすぐ向こうで大釜でグラグラとパスタを茹でるところ、釜揚げのシーンを外からよく見えるようにいたしました。

大きな釜が置かれたカウンターは
「おくどさん(かまど)みたいでかわいいです」と施主様。

ここでおいしいパスタがどんどん茹で上がり、お客様のもとへと運ばれていきます。

店舗正面の看板は、検討に検討を重ねたところです。

極力インパクトのある看板にするため、
垂れ壁をできるだけ広げるように施設側と交渉し、ようやく実現しました。

さらに、アイアンカッティングの看板を目線の高さにつけました。
ぜひ店名を覚えていただきたいという思いを込めて、このようにしています。

入口では、前回のブログ(vol.2) でご紹介した組子の格子と、「晒し竹」のパーテーションがお客さまを出迎えます。

店の奥にも、晒し竹のパーテーションを設置しています。

見えるけれども向こうへ意識がいかなくなる、 美しい造作にこだわった「魔法のパーテーション」。 お客さまはどのような印象を持たれるでしょうか。

また、今回のリノベーションでは
内装も弊社でトータルコーディネートさせていただきました。

店内の座席をABCと3つのセクションに分け、
それぞれ椅子の色を変えてご提案いたしました。

椅子の色を変えることは、弊社としてもかなり冒険でしたが、 お店のスタッフの方にもわかりやすく、また空間にメリハリをもたらすことができます。

壁には、唐紙パネルを設置しました。

施主様にご同席いただき、複数の唐紙パネルの中からひとつひとつ選定いたしました。

唐紙パネルが白い壁のアクセントとして役立っているのではないでしょうか。

最後に、店内入口カウンター上の
アンティークライトをご紹介します。

「お店のシンボルに」と、こちらのランプシェードを弊社がご提案いたしました。
昭和初期ごろに作られた、正真正銘のアンティークです。

いくつかのランプシェードをお持ちして、
施主様が「これがいいね」と選ばれたものです。

店内入口に吊るされたアンティークライト。
これからも、たくさんのお客様を優しく照らすことでしょう。

最後に、今回のリノベーションを吟優舎にお任せくださった施主様に
心から深く御礼申し上げます。
施主様の温かいお心遣い、お声がけに幾度となく励まされました。
誠に有り難うございました。

Yahooニュースにも凛じろう様が取り上げられました。ぜひご覧ください。 →yahoo!ニュース記事

blogged by 松山一磨 & 黒川京子

大津市一里山『釜ゆでパスタ&甘味 凛じろう 和モダンのリノベーション』vol.2

大津市の商業施設「FOLEO」の中にある
パスタ店「凜じろう」様のリノベーションの続報です。

前回のお話→(vol.1)

凜じろう様は
「お箸と蓮華でいただく種類豊富な和パスタと自家製わらび餅の専門店」。

地元では客足の絶えない人気店です。

改装前の別会社運営の店舗は、ダークな木目を基調とした重厚なイメージでしたが、今回のリノベーションでは「明るく親しみの持てるオープンな店舗に」というのが施主様のご意向です。

改装前の様子

それを受けて、無垢材と竹、天然の素材を使った、明るく繊細なデザインをご提案しました。

無垢材は主に無地(節なし)の杉を採用しました。
杉は和の建築でよく使われるなじみのある木材であり、その木目の美しさが魅力です。

美しいだけでなく、木の香りが漂って、工事現場を訪れた広報担当者も思わず香りを胸いっぱいに吸い込んでしまいました。

さて、今回のリノベーションにおける
こだわりの部分をご紹介したいと思います。

店内の入口すぐ横にあるパーテーション。
こちらは伝統的な日本建築のひとつ「組子」の技法を用いています。

小さい組子細工にこだわり、1角が6cmになるよう、弊社設計プランナーがデザインしました。

ここまで小さい組子はなかなか技術的にも難しく
指物師(さしものし)数軒との交渉で、ようやく実現することができました。

よく見ると、縦横の組子の厚みが異なっています。


厚みを変えることで強弱のリズムが生まれ、
より和の美しさを引き出しているのではないでしょうか。

こちらは「晒し竹(さらしたけ)」を使ったパーテーション。
専門の竹材屋さんにて竹を厳選し、この部分に合うように造作しています。

目隠しとしてのパーテーションではなく、
「きれいな造作としてのパーテーション」を目指しました。

一見向こう側が丸見えに感じるかもしれません。

しかし美しい造作物を作ると、目の視点がそこに合うことにより、その向こう側に意識がいかなくなります。

見えるけれども見えなくなる「魔法のパーテーション」とでもいえるのではないでしょうか。

「お客様は目線を遮るものがあると安心されるんです」と施主様。

また適度な隙間があるので、店のスタッフはそれとなく客席の様子を伺えます。

竹の差し込み口には、弊社の大工がひとつひとつ竹に合わせて削った、木の「振れ止め」がはまっています。

釘などを使って固定すると、どうしても竹の割れやヒビの原因になるので、このような手法を用いています。
丁寧に造作することでより繊細な美しさを追求しています。

店内と店外を仕切る、低めのパーテーションに採用したのが、こちらの「麻の葉組子」です。


お客様の「開放的なお店」というご要望に合わせて設計しました。

日本の伝統である「麻の葉」は、組子だけでなく
着物や数多くの日本の伝統工芸に採用されています。

組子下にはレトロ感のあるタイルを貼り、より趣を引き出しました。

伝統的な建築の技術を取り入れながら、
より美しく、和モダンな仕上がりを目指して工事は進んでいきます。

施主様から、大変励みになるメッセージをいただきました。

心温まるメッセージ、誠にありがとうございます。

blogged by 松山一磨 & 黒川京子