『 最近の記事 』

『洋館造りの古民家』へリノベーション (京都市左京区岩倉) VOL.5

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お待たせしました、比叡山が美しい、岩倉の家の続報です。

(※過去ブログへ→ VOL.1.2.3.4 )

 

(before)シートにおおわれた現場

 

足場とシートがつけられた外観は、ほぼ変わらず。

…が! 内部はどんどん進化しております。

 

(before)木部の塗装作業

 

職人さん、…ではありません!

お施主様ご本人です。

 

記念に、後ろ姿を撮らせていただきました。

ご主人が、休日ごとに現場へいらっしゃって、木部の

巾木・窓桟・ドア・フローリングの仕上げ塗装をされています。

 

奥様も、小さなお子様をあずけて駆けつけられ、

お2人で協力して作業される日もあります。

2度塗り仕上げのため、乾かしたり動かしたり大変です。

 

(before)洗面台のカウンター

 

ご家族には、お子様が3人いらっしゃいますので、

奥にある洗面所の他に、もうひとつ手洗いを…と、

弊社の設計・デザイン担当者が「お洒落な洗面台」を提案。

 

廊下ぞいにあり、家族の動線を遮らないよう曲線でデザインされた

このカウンターは、最後にピカピカのタイルで仕上げられます。

 

なにかと散らかりがちな洗面所・お風呂場まわりに入らずに済むため、

外から帰ってきたお子様はもちろん、

大切なお客様にも、気軽に手を洗っていただけそうです。

 

(before)居間から見たキッチンカウンター

 

キッチンカウンターも、ほとんど出来上がりました。

カウンターの裏側には、シンク・ガスコンロ等があります。

むこうの壁面にはこれから、炊飯器などが収納できる

弊社設計のパイン材の棚が取り付けられる予定です。

キッチンカウンターも、お施主様が自ら、ペンキ塗りをされます。

 

(before)壁面のラス。窓格子の支えを製作中

 

さて、最初に、外見は変わらず…と申しましたが、

シートの内側では着々と左官職人さんの作業が進んでいます。

 

例えるとしたら、家の皮膚を作る?という感じでしょうか。

壁の骨組みの上から、防水紙を貼り、ラスと呼ぶ金網をはりめぐらせ、

ラスを支えにモルタルを塗り、仕上げの色塗装を行います。

 

(after)モルタル塗りまで完了。

 

ハイ! モルタル塗りまで、終わりました。

窓の上下にあるでっぱりは、窓格子の土台です。

 

次回は、中も外もフルカラーの、仕上げ色でご紹介いたします。

さあ、どんな色の家になるのでしょうか?

お楽しみに!

 

ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。

 

Blogged by  小川 還

( 監修 : 松山 一磨)

 

 

 

左京区北白川事務所 Vol.5

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・吟優舎 北白川事務所 改装編 第五弾!

 

左京区北白川の事務所の続報です。

いよいよ外構と建物外壁の工事が始まります。

初めて出会った時は、こんな建物でした。

 

(before)改装前の北白川事務所 外観

 

こちらから以前の状況がご覧いただけます。

(→ Vol.1)  (→ Vol.2)

(→ Vol.3)  (→ Vol.4)

 

事務所の近くを流れる白川

 

北白川事務所は、比叡山へ続く道路沿いに建ち、

山・川など緑いっぱいの豊かな自然に囲まれています。

 

(before)北白川事務所と山

 

この場所にふさわしい外観は? …色は? …雰囲気は?

 

その場で決めて、その場で工事!という段取りですので、

設計デザイン担当者をはじめスタッフ全員、悩ましい選択の連続でした。

 

(before)塗装前の塀。窓前に、外壁色見本を設置

 

左官職人が、側面から塀を塗り始めます。

神戸北野の旧ハンター邸の塀を参考にした丸い穴には、アイアン製のモチーフ。

色は真白。しっくい状に盛って塗り、コテの痕跡を残す仕上げです。

 

コテの動かし方の次第で、和風にも、洋風にも見えます。

ここで、「どんな風に跡を残すべきか」が争点となり、

侃々諤々(かんかんがくがく)の議論に。

 

(after)塗装後の塀。松山所長が、風合いをチェック

 

コテ跡がどんな風に見えるかを実際に試してみて、確認を繰り返します。

設計デザイン担当者が、短くランダムに横に流れる仕様に決定!

同時に、

建物窓に並べた外壁見本を参考に、色と質感を選び、

太陽光の下でほんのり茶系の、目に優しい壁に決定。

 

木製窓は、職人がつくった木の窓枠と複層ペアガラスを

組み合わせた弊社オリジナルの窓です。

耐久性や防水力をチェックする実験場、でもあります。

最終的に、木枠を濃茶色の塗料で仕上げるよう、

設計デザイン担当者がデザインしました。

 

(本日のafter)北白川事務所 塀完成後の外観

 

塀の塗り終わりに、改装前とほぼ同じ角度から写真を撮りました。

皆様の印象は、…少し変わりましたか?

(資材等でごちゃごちゃ感がありますが…キレイにしますね!)

 

 

次回は、完成後の姿をご披露できると思います。

おつきあいいただき、ありがとうございました。

 

Blogged by 小川 還

 

 

 

左京区北白川事務所 Vol.4

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・吟優舎 北白川事務所 改装編 第四弾!

 

左京区北白川の事務所の続報です。

玄関の土間工事の模様をお伝えします。

 

 

(before)建物内部から玄関を見る。モルタル塗り中

 

最初に、左官の職人がモルタルを水平に塗り、

先日お話しした色タイルで、玄関の土間を飾ります。

これが時間のかかる、大変な作業でした。

 

(before)平均台のような足場をセット

 

現場は細長く、足をつく場所がありません。

長い木材を、外から建物内へ平均台のようにセットしました。

 

(before)足場上でバランスをとりつつ作業

 

「平均台の足場」の上で、各タイルの間隔を巻き尺で測りつつ、

新しいタイルを配置して、金づちの木柄で軽く叩いて押し込み、

刷毛でタイル表面を水拭きし、コテで周囲を軽くならします。

時間のかかる、神経を使う作業の繰り返しです。

 

(before)再度、全体をならして押さえます

 

こんな足場で、左官のコテを自在に扱うのはやはり大変だそうです。

「試してみるけど、お客さんの現場ではとてもできへんわ」

といいながらも、ドアがしまる所の段差を丁寧に調整する職人さん。

 

タイルを埋め込むため、凝固剤を使わずに

モルタルがやわらかいままで作業を進めたため、

時間がたつと、モルタル仕上げの角がゆるみます。

再度モルタルをならして押さえるまでの時間をみて、

先に周辺の後片付けを済ませることに。

 

設計者は「どんな工程がどう難しくどこが職人の負担か」、

職人は「お客様が求めておられる美しさのポイント」に

お互いが気づくよい機会になりました。

ノウハウが共有され、きっとベストな結果が生まれるはずです。

 

(after)完成。後日、外から撮影しました

 

「お客様にとって、楽しく美しい空間」を目指してまいります!

 

次回は、建物の外壁工事についてお伝えいたします。

外観のビフォーアフターを、お楽しみに。

 

おつきあいいただき、ありがとうございました。

 

Blogged by 小川 還

 

 

 

左京区北白川事務所 Vol.3

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・吟優舎 北白川事務所 改装編 第三弾!

 

2012年春から改装を始めております、左京区北白川の事務所。

徐々に、完成に近づいてまいりました。

ご覧ください。

 

こちらから以前の状況がご覧いただけます。

(2012年 3月20日 左京区北白川事務所 Vol.1)

→ http://www.ginyusya.com/blog/?p=49

(2012年 4月 2日 左京区北白川事務所 Vol.2)

→ http://www.ginyusya.com/blog/?p=159

 

 

弊社の事務所ということで、大実験あり、そして試行錯誤あり。

各スタッフの鍛錬の場として、予算はぐっと押さえつつ、

ベストな施工法や仕上げ法を探求いたします。

 

せっかくの『古民家』ですから、まず、

古い梁を見せることになりました。

 

・平屋の屋根裏を開放!

 

・古い梁がでてきました!

 

早速、天井を半分とりはらい、吹き抜け&ロフトへと改造。

梯子(はしご)も、大工職人による精緻な細工です。

壁紙はまだ貼れていませんが、室内の印象がガラリと変わりました。

 

(before)玄関の土間飾りに用いる、タイル

 

吹き抜けの下は、無垢のパイン材の床です。

並べられた色タイルは、玄関の土間の飾りに使う材料でありまして…

 

(before)バランス良い組み方・色合いを試行錯誤中

 

設計・デザイン担当スタッフが、タイルの置き方の

アイデアを図面にした後、実際にタイルを仮置きして

じっくりと色彩構成していました。

半端に余った材料を見つけ、色あいや組み合わせを素早く

提案・決断し、職人さんと施工法を相談して決めてゆき、

気がついた時には完成間近、…と、まさしくプロの技です。

 

写真でうす緑に見えている奥側の床は、琉球畳です。

お客様のお子様がいらっしゃった際には、安全に遊べる

「キッズコーナー」となります。

これも、設計・デザイン担当スタッフのアイデア。

ぱっと見ると床の間のようでもあり、格式もあって、

花や絵を飾るのが楽しい空間です。

 

(before)トイレ&シャワー室へと改装中

 

旧お風呂場は、トイレ&シャワー室に改装しました。

現場管理担当スタッフがタイミング良く、

左官職人に次のタイルを手渡して作業効率もアップし…

 

(after)トイレ&シャワー室 完成

 

こうなりました!

凸凹のある深緑とツルツルの白に塗りわけた2色の壁に、

渋い茶色の長タイルをアクセントにしたトイレ。

ガラスブロックの向こうは、シャワー室です。

最小限の空間ですが、照明などすみずみまで気を配った

設計・デザイン担当者と、職人による丁寧な施工により、

最大限お洒落な空間に生まれ変わりました。

 

 

次回は、玄関の土間工事の模様をお伝えします。

色タイルの飾りはどうなるのでしょうか、ご期待ください。

 

おつきあいいただき、ありがとうございました。

 

Blogged by 小川 還

 

 

 

『洋館造りの古民家』へリノベーション (京都市左京区岩倉) VOL.4

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比叡山が見える住宅街、岩倉の家の続報です。

(※過去ブログへ→ VOL.1.2.3

建物全体に足場とシートが取り付けられました。

 

(before)足場とシートがつけられた外観

 

トントントン…という、金づち音が響きます。

 

(before)戸口(元 勝手口)より邸内をのぞく

 

屋内は、すべての窓の取り付けと、

間仕切りおよび壁面の下地工事までが、完了です。

 

(before)庭へ面した大窓。奥は増築部分

 

庭へぐっと突き出た増築部分も、ようやく部屋らしくなり、

窓の外では、窓枠と建物の間の防水処理が進められています。

 

(before)キッチン設置予定地点から庭を見る

 

対面スタイルのキッチンを設置する準備も整い、

リビング〜庭方向への視界の広さを確認できました。

見えない所で、新しい太い梁が天井をしっかりと支えています。

 

(before)修復中の玄関

 

横に小窓がつけられ、明るくなった新しい玄関です。

天井は昔からの屋根を利用した、高い吹き抜けとなります。

 

(before)玄関天井の吹き抜け部分

 

昔のまま保存される、状態のいい木製階段を上がり、2階へ。

 

(before)窓を修復した、2階和室

 

和室は、本棚やベッドなどの家具が置きやすいよう、

また、防犯性能のアップも兼ねて窓の高さが調整されました。

 

(before)2階和室のベランダ

 

庭の林に面した側にある、2階の大きなベランダは、

足場の一部がはずされた後に、さびた鉄製の支柱と手すりを再生し、

新しい丈夫な床板を設置する予定です。

 

また、2階の壁の仕上げは、工事の最後に、若いお施主様ご夫妻が、

ご自分の手で珪藻土塗りを担当されます。

弊社の担当設計者も、

「住まう人が自分自身で手をいれた家は、愛着がわくし経済的だし、

長く大切にされるから、作業の日が楽しみ」と、喜んでおりました。

 

 

ふと、先日こちらのお子様方と公園で遊んだ際に「光る泥だんご」の

作り方を教えてもらったことを思い出しました。

土壁も、塗りながら表面を押さえるとツルツルピカピカになり、

「光る泥だんご」作りに相通じる点があります。

(…ちょっと昔まで、日本の農村では子どもが大勢で泥だんごを作り、

土壁の最初の土台づくりに参加していたそうです。)

 

大人と子ども達の、競争になりそうです。

壁塗りは、このご一家の楽しい思い出になるのではないでしょうか。

 

おつきあいいただき、ありがとうございました。

 

Blogged by  小川 還

( 監修 : 松山 一磨)