【※写真をクリックすると、拡大されます。】
初めてのお問合せは、
奥様からのお電話で、
『 購入予定の中古住宅について、相談をしたい 』
というものでした。
購入前の家は、
京都駅にも近い、大宮七条。
路地奥へ20mほど入った古民家です。

(before)外観
路地奥ですので、
駐車場は無く、再建築不可の物件です。
そのため、利便性の良い立地にも関わらず、
お手頃な金額で購入可能です。
戦時中の被害が少なかった京都には、
こういった建物が、今も普通に存在しています。
築後60年以上は経過していると思われますが、
前の所有者によって大規模な改装がされており、
そのままでも十分に住める状態です。

(before)玄関
時間をかけて、改装のご希望をお聞きしました。
新しくして、清潔に住むということだけではなく、
出で立ちやデザイン、間取りや機能など
自分たちのライフスタイルと将来設計を考慮した拘(こだわ)りと
明確なご要望をお持ちだということが、よく分かりました。
● 緑のある坪庭のようなスペースが欲しい
●家族分の自転車を置くスペースが必要
● 大きな浴室
● 既製の洗面台ではなく、弊社でよく施工するような
手作りのオリジナルの洗面台にしたい
●二階の大きな腰窓に面して、洗濯物も干せるフリースペースが欲しい
●屋上庭園が欲しい
● 弊社のホームページで紹介されたようなレトロなモザイクタイルを使いたい
● リビングの壁面一面に木目の効いた!?木製パネルを張りたい
●大きめの1つの空間に2人分の子供部屋を作り、
間仕切りは無し。ただし将来は、間仕切れるようにしておきたい
● 床は、無垢のフローリング
その他に、
奥様が弊社事務所のタイル貼りの手作りキッチンをご覧になって
「とっても可愛い!! 」 と気に入っていただき、
同じものが欲しいというお話も。

弊社事務所キッチンです
こうした個性的で拘(こだわ)りのある数々のご要望、
そして、そのままでも住める家にも関わらず、改装を希望される理由として、
お住まいに対して、
ただ単に「住む」ということではなく、
「自分らしく住む」ということを求めていらっしゃるのだと感じました。
確かに、改装は、必要だと納得です!

(before)玄関より内部を見る(奥はDK、手前右は和室)
現在の間取りは、
一階に
●広い玄関土間
●8帖の和室と独立した6帖のDK
●小さめの浴室とWC
●小さく区切られた脱衣スペースと洗面・洗濯スペース

(before)正面はDK、手前右側が洗面など水回り

(before)DK

(before)洗面・洗濯スペース

(before)浴室

(before)WC
二階に
●10帖の洋室、および、10帖の和室
●アルミベランダ

(before)二階洋室、大きな腰窓

(before)二階和室
さて、ご夫婦のご希望をかなえるために、
どのようなプランをお作りできるでしょうか?
Blogged by 松山 一磨(いつま)
2014年11月28日 4:32 PM |
カテゴリー:自分らしさを造る VOL.1 |
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【※写真をクリックすると、拡大されます。】
本日は、築50年以上を経た一軒家の 続報2回目です。
(※初回のブログはコチラ→ VOL.1)
伏見稲荷大社にほど近い、青空につつまれた
レトロな住宅街よりお届けします。

(before)工事中外観と門
下宿として増築された広い二階のある古民家。
増築されるよりもっと以前、おそらくこの家の建築時に造られたと思われる、
京町家を象徴するような杉板と漆喰(しっくい)のコンパクトで
カワイイ歌舞伎門が残っています。
修復箇所の点検と解体作業を同時進行で始めました。
最初に、門の点検からご覧ください。

(before)修復箇所01 門
下宿する学生さん達も出入りした玄関周辺は、
門とお揃いの、屋根や照明のデザインが特徴です。

(before)修復箇所02 玄関
玄関を入ってすぐ正面に造られた学生さん専用の超急勾配!?の
階段を撤去し、飾り梁や木製手摺を造作。
二階窓から光が入る、吹き抜けのある町家スタイルの玄関にしました。

(before → after)玄関の吹き抜け
すぐ下では、左官職人による、石飾りの土間づくりが進行しています。
アート系のお施主様ご夫婦のギャラリーとして、作品やアート、小物などを
飾って楽しんでいただける広い玄関スペースの誕生です。

(before → after)玄関土間 ギャラリースペース
この玄関スペースの掃き出し窓(はきだしまど)に隣接させて、
ぬれ縁(えん)を造作。
庭からお客様を呼び入れたり、座っておしゃべりを楽しめる
昔ながらの憩(いこ)いスペースを造りました。
これは、お施主様からの強いご希望です。

(after)玄関スペース ぬれ縁
玄関入口には、土間から邸内へ昇り降りしやすいように式台を造作。
下には靴を入れる空間を確保しています。
乱雑に靴が並ぶことを避けるための弊社の標準仕様です。
玄関正面の壁には、おもてなしのアートとして、
唐草模様を版木で刷(す)った唐紙(からかみ)を貼り、
天井は、色違いの和紙を市松模様に貼った格天井(ごうてんじょう)に仕上げました。

(after)玄関土間から邸内を見る
さぁ続いて、今回の改装のテーマの 『 Lスタイル空間 』 をご案内します。
改修前の一階は「DK空間」と「和の座敷空間」が
壁と階段で遮断され、ぐるっと回って廊下を通って行き来するという
何とも不便な造りになっていました。
これは、和座敷を特別な場所として重んじる昔ながらの間取り設定に
由来するものだと思われます。
まず、この遮断している壁を解体撤去しました。
次に、明るい南庭に面した、家事動線から外れていて
一番静かな場所にある小さな座敷を広縁とまとめて一部屋にし、
ご家族がゆったりと集える<リビング空間>に設定。
そのリビングとDKの間にある、畳敷きの和室は残しました。
▶ <リビング空間>
▶ <和の座敷空間>
▶ <DK空間>
通常は、この三つの空間が、ちょうど英字のLの形(スタイル)で、
一つの大空間を形成しますが、
その三つの空間を、天井高の引込戸でそれぞれの個別の空間として
間仕切ることができる設計です。
この三つが一つにまとまって、『 LスタイルのLDK空間 』を造っています。
『 LスタイルのLDK空間 』 は、段差の無いバリアフリー(Barrier free)の床で
すべての居室と繋(つな)がっており、
「行き止まりのない回遊式の動線 」を実現しています。

・Lスタイルへ変身!
各部屋を回遊式にぐるぐると移動でき、家事の動きに無駄がないため、
家事や移動の効率もアップ、幼いお子様にも目が届き易くなっています。
南北の庭からの風通しも良くなりました。
こういった大胆な間取りの変更ができるのも、
柱で家を支える日本古来の「在来軸組(ざいらいじくぐみ)工法」で建つ
町家の大きな魅力のひとつかもしれません。

(before → after)行き止まり解消へ!回遊式の Lスタイル
玄関正面のアンティーク建具の出入口から、<リビング空間> へどうぞ。
このアンティーク建具は、この家にあったものをリメイクして再利用しています!

(after)Lスタイルをぐるり 01 リビング〜和の座敷
南面のコーナーには、ご主人様専用の大工造りのデスクを製作。
南庭への開口には、スーパーワイドのテラス窓を採用し、
ふんだんに太陽の光と風が取り入れられるように設計されています。
リビングの北面には、アンティークの2枚建具の収納および
床の間をアレンジしたデザインのテレビコーナーを造作。
煤竹(すすたけ)とカーブを描いた漆喰(しっくい)調の垂れ壁は
隣接する和室の床の間とつり合うよう、町家をイメージしたものです。

(after)オリジナルのデスクと煤竹と漆喰調の垂れ壁
そして、『 LスタイルのLDK空間 』の要所は、各部屋の間仕切り!
壁面収納式の背が高い引戸によって、
建具を開け放ち、普段はL字スタイルの一つの大空間として使用。
建具を閉めれば、個別の部屋が確保できるようになっています。
日常は広々と、また自由に仕切っても使える、フリースタイルのLDK空間です。
暮らしてみたら、いろんな生活スタイルの発見があるのではないでしょうか…?

(after)壁面収納の間仕切り建具01 リビング〜和の座敷

(after)壁面収納の間仕切り建具02 和の座敷〜DK空間
<リビング空間>から、隣りの<和の座敷空間>へどうぞ。
当初から存在する和室は、日本伝統の格式あるスタイルがなじみます。
壁面には珪藻土のクロス、床の間には和紙のクロスを施工。
表面のお化粧だけをリメイクし、デザインはそのままに
往時の姿を蘇(よみがえ)らせました。

(after)Lスタイルをぐるり 02 和の座敷〜DK空間
では、<和室の座敷空間>から、<DK空間>へどうぞ。
L字型の最後のしめくくりは、
水回り( 洗面所・浴室・WC )とガレージへ繋(つな)がる
ダイニング・キッチン(つまりDK空間)です。

(after)ダイニング・キッチン全景(=DK空間)
『 生活しやすい快適な空間造り 』 を目標に、
水回り全部(洗面所・浴室・WC)およびエントランス (玄関と通用口)の
生活動線を、すべて<DK空間>に直結させました。
家事動線は短く、効率良く!
奥様はもちろん、ご家族全員が、無駄なエネルギーを使わず、
楽に暮らせる生活動線を計画し設計しています。
家具もまた、オーダーメイドで造り付けることにより、
デッドスペースが無く能率も良い収納スペースを確保することが可能です。

(after)キッチンのカウンター
キッチンには、レトロ感が溢(あふ)れるモザイクタイルの
対面キッチンカウンターと収納バックカウンターを造作。
天板は、熱と汚れに強いステンレスです。
カウンターのキッチン側には、2列の調味料棚を製作。
小さいながらも、思った以上に有れば便利で嬉しい装備です!
収納バックカウンター内には、コンセントを設(もう)け、
棚はスライド式となっています。
勿論、無駄なスペースが発生しないように、お手持ちの
器具サイズに合わせて造作。
全て、現場の大工造りです!
対面キッチンカウンターに向って立てば、後ろに
冷蔵庫・収納バックカウンター・収納家具(食器棚)が一列に並びます。
では現場の大工造りの、収納家具(食器棚)をご覧ください。

(after)キッチンの収納家具(食器棚)
エアコン位置として、この収納家具の上部が最良なため、
エアコン取付用下地と一緒に造作しました。
既製品の家具では、上手く納まらない部分です。
扉の取手は、輸入雑貨のお店で購入したもので、弊社の在庫が最後となる逸品です!?
オリジナル家具ならではの、お楽しみです!

(after)愛車が見えるダイニング
キッチンやダイニングから、車をご覧になれるプランニング。
「家で、室内から愛車を眺めながら、寛(くつろ)ぎたい。」
というのが、ご主人様からのご要望でした。
そこで、浴室・洗面所・WC を解体撤去し、後ろに下げることでその空間を確保。
せっかくですので、
愛車をご覧になるための窓や建具を木で製作させて頂きました。
ガレージ内の壁面にも無垢の杉板を施工し、癒しある空間に。
ちなみにこの杉板壁の塗装は、ご主人様と弊社スタッフでの D・I・Y 施工です!!
ガレージ内部のコーナーには、車やその他の外回り品を洗うための
流し台スペースも造りました。
屋内ガレージですので、天候を気にすることなく、
作業スペースとしても活用できる空間です。
また、このガレージはDKに直結していますので、お買物の荷物を
楽にキッチンへ取り込むことが可能です。

(after)水回り01 洗面室&お風呂場
続いて、水回りへどうぞ。
<DK 空間> 直結の、水回り(洗面室・浴室・ WC)です。
ダイニング・キッチンから伸びる北庭への廊下に
洗面室・浴室・WC 、の順で配置設計。
廊下出入口には、大正期から昭和初期の町家で実際に使われていた
アンティーク建具をリメイクして設置しています。
この家の持つ町家イメージとピッタリと寄り添い、違和感なく納まってくれました!
WCに施工したホワイト色の花柄模様 (下、中央2枚の写真参照) のクロスは、
奥様からの支給品です。
このクロスの美しい花柄模様を引き立たせるため、他の三方のクロスは、
同系のホワイト無地のクロスを施工させて頂きました。

(after)水回り02 WC
最後に、二階について簡単にご紹介します。
断熱ペアガラスのサッシ窓への取り替えがメインの工事です。
以前、下宿部屋として増築され多くの部屋を有する二階フロアー。
全部で5部屋あります。
各窓には、以前の下宿増築工事の時のものだと思われる、
鉄製の窓建具が入っていました。
重く、動きも悪くなっており、断熱面でも問題があったので
全て交換。
窓さえ直せば、各部屋は普通に使用が可能ですし、
施主様自身のD・I ・Y 施工でのリフォームも可能な状態です。
南側の古い鉄製のバルコニーは、このブログ撮影後に施主様が塗装をされ、
弊社大工の一人と共に、床と屋根の工事をされてリフォームが完成しています!!
玄関の下宿生用の階段を撤去し造った、玄関吹き抜けの上部には、
木製格子の手摺を造作。二階から玄関を見下ろすことが可能です。
幼児が登れないよう、縦格子とし幾分高いめに設定しました。

・二階リフォーム部分について
今回のリノベーションには、
塗装を中心に、施主であるご主人様に工事に参加していただきました。
勿論弊社スタッフのレクチャー(Lecture)付き!?です。

D・I・Y のススメ!?(寸法採寸/家具塗装)
作業のほとんどが経験の無いことで大変だったと思いますが、
終始、にこやかに、気持ち良く参加してくださったご主人様には、
この場をお借りしまして、あらためて御礼申し上げます。
ご協力、本当に有り難う御座いました m(_ _)m
そして、誠にお疲れさまで御座いました。

〜伏見の光景をどうぞ〜
次回VOL.3では、完成写真をお届けいたします。
とりわけ、大きくイメージの変わった町家スタイルの外観を
ご覧頂きたいと思っております!!
ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年11月27日 12:55 AM |
カテゴリー:Lスタイル VOL.2 |
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【写真をクリックすると、大きく見やすくなります】
『下鴨の古民家』の続報 VOL.2 をお伝えします。
(※初回ブログは → コチラ)

(after)ベランダからの景色
送り火の「妙」の字の山が見えるベランダが
完成いたしました。
中庭を見下ろす位置にあるベランダです。
同時に、屋根の葺替えも行いました。

(after)ベランダ/葺替えた屋根
この部分の屋根は瓦ではなく、ガルバリウム鋼板を採用しています。
軽く、従来の鉄板材とは違い耐久性にも優れています。
では、玄関から見てまいりましょう。

(工事中)新調された玄関戸
新調された玄関格子戸と欄間です。
これから塗装し、ガラスを入れて完成です。
玄関を入ると、すぐにアーチ形の開口部があります。
新設の土間収納です。

(工事中)玄関土間/土間収納のアーチ形開口部
左官職人が土間仕上げをする前に、設計デザイン担当者が、

(before)石の床飾りを考案中
石を選び、床飾りのパターンを実際に作っていました。
那智黒石を花びら状に並べています!

(工事中)アーチ型の開口部より内部を見る
アーチ形の向こうには、木工事担当の大工職人さんが二人。
この土間収納は、数人の大人が入れる広々設計としました。
2方向に入口があり、行き止まりのない回遊式の動線になっています。
では、もう1つの、階段脇の開口部から内部をご覧ください。

(after)階段脇の開口部/完成した那智黒石の床飾り
玄関天井は、華やかな格子天井に造り変えています。
元々あった来客用トイレと手洗いスペースは完全に撤去し、
明かりと風を取り入れるための大きな窓を新設しました。

(工事中)玄関天井に唐紙を施工中

(工事中)窓新設で玄関を明るく!
さあ、玄関横の和室へお進みください。
縁側との間仕切りを撤去して和室の一部に取り込み、
そのぶんだけ隣のLDK(主にリビング)の面積を広げています。
縁側だった部分は勾配天井を活かし、網代(あじろ)のクロスでデザインしました。
また、小さな拘(こだわ)りとして…
すぐ隣のLDKのリビングスペースに新設した、観音開きの物入れの建具の高さを、
和室内にある既存の床の間の開口高と合わせています。
このような設計により、言葉では説明できない、感情的な安定感を
生み出せるのではないかと考えております。

(工事中)縁側を撤去、和室の一部に変更

(工事中)既存の床の間と、新設した観音開きの物入れ
LDKのキッチンスペースには、食事もできるキッチンカウンターを
新しく製作し、リビングとキッチンの間に設置。
両方から利用できる便利なカウンターです。
カウンター天板はステンレス、デザインのポイントとして側面の棚に
モザイクタイルを埋め込んでいます。

(工事中)キッチンカウンター 製作中/設置予定場所の壁面

(工事中)キッチンカウンター 固定
リビング側から見た、キッチン正面全景をどうぞ。
私たちスタッフのお気に入りの場所(見せ場)の1つです。
モザイクタイルとアンティークイメージのカウンター、そして、
オーバル(oval:卵形や楕円形)のペンダントに、
シンボルとも言える…木目を強調させた大きな柱。

(工事中)キッチン正面全景
キッチン正面右側は、斜板をはずし、敢(あ)えて凸凹が見える
ようにした階段の裏側です。
デザイン的に楽しめるよう、従来のクロス仕上げではなく、
裏側全体を無垢材(むくざい)で造作し直しました。
下部は、レンジ台と収納になっています。

(工事中)階段下収納
この階段手前の、ぽっかり空いたスペースには、天井まである超大型の食器棚を
新しく造作しました。 扉は3枚引戸ですので、大きく開けることが可能です。
またこの建具、デザインにも力を入れています。
完成をお楽しみに!!

(工事中)キッチン食器棚 製作中
キッチン正面左側(すぐ上の写真の左奥)には、
洗面&洗濯室への開口部があります。
こちらも回遊式の動線にリフォームし、キッチンとリビングの2方向から
出入りが可能になりました。
洗面&洗濯室の奥に見えているのは、浴室です。

(工事中)キッチンカウンター横から、洗面&洗濯室を見る
洗面&洗濯室の内部へどうぞ。
左には天井まである収納棚を造作し、右には大型洗面台と洗濯機置き場を。
これでもう、『お母さ〜ん、パンツは?』という声に悩まされることはない…かも!?

(工事中)洗面&洗濯室。左:収納棚/右:洗面台と洗濯機置き場
リビングスペースは、中庭側の既存の屋根勾配の天井に
新しく無垢の垂木(むく の たるき)をデザインし、
ナチュラル感あふれる空間を演出しました。

(工事中)リビングスペース。中庭側のテラス窓と天井
リビングから離れへと続く通路入口は、アーチ形の開口部にリフォーム。
通路の途中には、前より広くなったトイレがあります。
このトイレ、以前は、リビングから出入りする配置となっていましたが、
今回のリフォームで、離れへの渡り廊下から入れるように設計変更しました。
扉の多くは、大正~昭和初期に製作されたアンティークの建具を採用しています。

(工事中)リビングから離れへの通路を見る

(工事中)エアコンのダクトケース、フタを外したところ
じつはこのアーチ壁、デザインのためだけのものではなく、
エアコンのダクトケースにもなっています。
テラスサッシ上部に設置されるエアコンのダクトやドレイン配管を隠し、
スッキリさせるためです。
アーチを通り、離れへ進みます。

(工事中)離れ。ロフトのある書斎正面/オーダーメイドの本棚と机

(工事中)ロフト側(書斎の上部)/吹きぬけ側
離れの2部屋は天井を撤去し、一方をロフト付きに、
もう一方を吹きぬけに改造しました。

(after)吹きぬけには天井扇を設置
吹き抜けの高い天井
また、吹きぬけ側に、テラス窓(掃き出し窓)を新設。
隣家までいっぱいいっぱいに建っていた外壁を、半間(90cm)後退させ、
その空間にウッドデッキを敷き詰めました。
ちょっと面白い空間になっています。
子供たちが大好きになりそうな場所…が出来たかもしれません!?
隣家との目線を遮るため、微妙な高さ(?)のアルミの通風フェンスを設置しました。

(工事中)ウッドデッキのテラス
さて、二階の和室は、縁側と床の間・押入れを撤去して、大きな空間を造り、
収納棚が3列ある大容量のウォークインクローゼット(→ 約6畳の広さ)を
新設しています。
珪藻土のクロスを採用し、教室として多人数が使用されていた以前とは違う、
ほっとする雰囲気を目指しました。

(工事中)二階の和室、板床部分

(工事中)二階の和室、畳部分/ウォークインクローゼット

(工事中)ウォークインクローゼット内部/3列の収納棚

(工事中)棚板は可動式になっています。
夕暮れ後に、各室に照明器具を取付けてまわりました。
中庭が見えるリビングの窓辺です。

(工事中)リビング窓辺の照明
私たちが目標とする『 新しいのに古く懐かしいデザイン 』に
相応しく(ふさわしく)ありますでしょうか!? いかがでしょう?
このあと、塗装と最後の仕上げに入ります。
腕によりをかけて、塗装職人と大工職人が
木工作業に奮闘いたします。
ご期待ください!!
ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。
m(_ _)m
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年8月23日 2:06 PM |
カテゴリー:下鴨の古民家 VOL.2 |
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・伏見稲荷大社周辺イメージ
伏見(ふしみ)と言えば、連続する朱色の鳥居で有名な
『伏見稲荷大社』(ふしみいなりたいしゃ)。
この地に、稲荷大社が創られたのは 奈良時代の711年、
平安時代からは貴族たちの家がどんどん建てられていった
そうで、それからざっと約1200年!
由緒ある住宅地なのです。
そのせいでしょうか。
周辺は、木造のレトロな商店街や一軒家がずらりと建ち並び、
背の低い家並みの上には、ぬけるような美しい青空が!
今回はそんな空の下にある、1軒の町家についてお届けします。

(before)外観 斜め前より
こちらの物件は、築50年以上。
一階は家族の空間で、現在、玄関は正面に付け替えられています。
二階は下宿に増改築されており、
個室 計6室に共同トイレ…と、かなりボリュームが
大きいせいでしょうか。
家全体の外観のバランスが崩れ、
「町家らしさ」を無くしてしまっていました。

(before)外観 正面。中央部が正面玄関
向かって右端に、建築当初からの歌舞伎門(かぶきもん)がある
のですが、2階増築のインパクトに押されて、なんとなく
寂(さび)しそうな感じになっています…。

(before)外観 旧玄関へ続く門
さて、こちらにお住まいになるのは、
ご夫婦共にデザイン関係をご専門としてお仕事されている
センス溢れる(あふれる)若いご夫婦です。
また、工事開始後には、待望の赤ちゃんも誕生されました。
〜 お施主様、おめでとうございます!! 〜

(before)門から続く「旧玄関」の外/内

(before)現在の「正面玄関」の外/内
おふたりは、昨年 2013年の夏に、弊社が開催した、
『左京区・杉皮塀のある町家』(※詳細ブログはこちら → 前半 / 後半)
の完成見学会に足をお運びくださいました。
今でも、ご夫婦で長時間、真剣にご見学される姿が
深く印象に残っております。
初回の打合せ(うちあわせ)にあたり、
流石(さすが)にデザインがご専門だけあって、
Adobe Illustrator というデザイナーが使う高度なソフトで作成された
多ページに渡る素晴らしい企画書をご持参くださいました。
改築後をイメージしたその資料は、写真や図も含めて完成度が高く、
弊社内では各スタッフがもれなく回覧し、絶賛の嵐に!!

(before)ダイニング+キッチン/床の補修跡

(before)一階 寝室 2部屋と縁側

(before)一階 坪庭へ続く廊下/床の補修跡

(before)一階 洗面所/お風呂場
さて、お施主様の頭の中にあるイメージに、弊社の案をプラスし、
お施主様との綿密な協議と現況のチェックを繰り返しました結果、
初めてお会いした日から半年を経て、着工とあいなりました。

(before)二階 戸1枚で仕切った下宿の各部屋

(before)二階 下宿の共同トイレ
「町家らしくない町家?!」からスタートして、
『町家イメージの復元 + 住みやすい機能的な家』となるように、
各空間ごとの“テーマ”と“役割”を決めて創ってゆきます。

(before)二階 北側ベランダの洗面台
この工事のラストには、ご主人が参加され、
◆フローリングとガレージ内の塗装
◆二階の鉄製バルコニーの床張り&塗装
などに、自ら挑戦される予定です。
(※弊社からもコーチ?が出向きます)
では、次回も又、工事の進捗(しんちょく)を密着取材して
まいりますので、ご期待ください!
おつきあいいただき、ありがとうございました。
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年7月28日 11:08 PM |
カテゴリー:Lスタイル VOL.1 |
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