『 最近の記事 』
賀茂川の気配と木々の緑に包まれる「賀茂川沿いの京町家リノベーション」。
屋根の葺き替えを終え、現場は「木工事」の段階へ。建物の骨組みを整え、新しい命を吹き込む、とても大切な工程です。
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vol.1
vol.2
vol.3
見えない場所こそ大切に
京町家のリノベーションを考えるとき、多くの方がまず気にかけられるのが「耐震性」ではないでしょうか。戦前に建てられた町家は、現代の耐震基準とは異なる考え方のもとに造られています。
吟優舎では、その歴史を尊重しつつも、木工事の段階で構造を根本から見直し、現代の暮らしにふさわしい強度へと高める補強を行っています。
金物補強の様子
金物補強の様子
写真は、梁と梁を専用の金物で繋いだ様子です。
長い年月を耐え抜いてきた古い部材と古い部材、また古い部材と新しく加えた部材。それらを金物でしっかりと繋ぎ合わせることで、住まいを支える強固な骨組みへと生まれ変わります。
金物補強の様子
また、より高い耐震性を確保するために、厚みがあり高い強度を備えた板材「構造用合板」を用いた施工も取り入れています。柱・梁・土台を連続的につなぐことで、地震の揺れを「面」で受け止める、より確かな耐震構造へと整えていきます。
これらの補強は、完成後には壁や天井の奥に隠れてしまいます。
しかし、「見えない場所にこそ、大切に」。 私たちはそう考え、工事中にしか見ることのできない構造補強の様子も、施主様へ丁寧にお伝えしています。
歳月を物語る、京町家の象徴「ゴロンボ」
町家の解体を進めるなかで、力強い姿を現したのが、ゴツゴツとした丸太の梁。
京町家で古くから「ゴロンボ(ゴロン棒)」と呼ばれるものです。
ゴロンボ
かつての職人たちは、自然のしなりがある丸太が、いかに強靭であるかを知り尽くしていました。その特性を生かし、適材適所に配置することで、町家の強度を支える要としたのです。
通常は2階天井に見られるゴロンボですが、この町家では、1階部分にも立派なゴロンボが渡されていました。1階と2階の梁を交差させるように配置することで、建物全体のねじれを防ぐという、当時の大工の見事な仕事ぶりが伺えます。
当初、ゴロンボは天井裏に収める予定でした。 しかし、2階の寝室に現れたゴロンボがとても堂々と美しかったため、急遽施主様にご相談し、その力強い質感を活かした「見せる意匠」へと変更いたしました。
本来は「野材(のざい)」と呼ばれ、隠れることを前提とした材料ですので、 手をかける必要があります。一つひとつ丁寧に磨き上げ、風合いを損なわないよう塗装を施して、大正ロマンが香る空間のアクセントとなるよう整えていきます。
少しずつ家らしくなっていく喜び
「木工事も順調に進んでおります」という担当者からの報告に、施主様からメッセージをいただきました。
「解体ではなく、『作る』作業が始まったんですね。テンション上がります!」
その明るいメッセージに、私たちスタッフも励まされます。 壊す工程から、積み上げる工程へ。
新しい暮らしの輪郭が少しずつ見え始める瞬間は、何度立ち会っても感慨深いものです。
施主様の期待をしっかりと受け止め、完成の日まで、細かな気遣いを忘れず歩みを進めてまいります。
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2026年1月27日 5:17 PM |
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少し時間が空いてしまいましたが、加茂街道「賀茂川沿いに佇む京町家リノベーション」の続きをお届けいたします。
街路樹の緑と賀茂川の気配がすぐそばに感じられ、ふと時間が緩むような、穏やかさに包まれた京町家。
解体工事を終え、現場では次の工程へと作業が進んでいます。
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vol.1
vol.2
吟優舎の建築幕を掲げた現場
強い日差しのなか、大屋根(2階上)の葺き替え工事が行われました。
吟優舎の建築幕が、光を受けながら現場を静かに見守ります。
未来へ繋がる京町家の屋根
京町家の屋根には、いぶし銀の「和瓦」が用いられることが一般的です。
その施工法は、かつては瓦を土で固定する「土葺き」が主流でしたが、粘土質の葺き土は重量があるため、屋根全体に相応の負担をかけてしまいます。
阪神・淡路大震災以降、町家の屋根にも軽量化と耐震性が求められるようになりました。
現在では、瓦桟(かわらざん・瓦を受け止める下地材)に瓦を掛け、釘で固定する「桟葺き(さんぶき)」が、和瓦屋根の標準的な工法となっています。
「伝統を守りながら、現代における安全性を追求する」。
今回の工事も、その理念に基づいて進めています。
解体中の現場の様子
京町家を守る屋根葺き替えの工程
①古い屋根材の撤去
長年この町家を守ってきた瓦や屋根材を、一枚一枚、丁寧に取り外していきます。古い葺き土が残っている場合は撤去し、昔の下地材である杉皮(通称トントン)が確認された場合は、こちらも取り除きます。下地をあらためて確認することで、傷みや雨漏りの原因を根本から整えます。
②新しい下地づくり
垂木の状態を確認しながら、12mm厚の野地板(のじいた)を隙間なく張り込んでいきます。既存の野地板がある場合は、その上から重ねて張り、現行基準に適した屋根下地へ更新します。屋根を支える、構造上最も重要な工程です。
③防水シートの敷設
野地板の上に、雨水の侵入を防ぐルーフィングと呼ばれる防水シートを丁寧に施工します。屋根の耐久性を大きく左右する大切な役割を担います。
④瓦桟を用いた和瓦の施工
ルーフィングの上に瓦桟(かわらざん)を設置し、その桟に和瓦を一枚ずつ掛けていきます。瓦にはあらかじめ釘穴が設けられており、釘やビスで確実に固定することで、強風や地震によるズレを抑え、軽量で安定した屋根構造となります。
落ち着きと格式を備えた屋根へ
大屋根の葺き替え
安全性を追求した、いぶし瓦の大屋根へ。
銀灰色の瓦が整然と連なる町家の屋根は、すっきりとした佇まいの中に格調を宿し、住まい全体の表情を引き締めています。
一つ一つの工程を大切にしながら、現場は順調に歩みを進めています。
次回も、工事についてお伝えしていきます。
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2026年1月19日 5:44 PM |
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リノベーションは終わりではなく、始まりなのかもしれません。
年月を重ね、手をかけながら、自分らしい暮らしへと育っていく。
そんな過程こそが「家づくりの醍醐味」だと気づかされます。
2019年にリノベーションさせていただいたY様邸を再訪。
施主様の「その後の暮らし」を拝見する機会は、そう多くはありません。
町家風の外観。
玄関をくぐると──
わあ、素敵。
町家テイストとアンティーク、
そしてアジアの逸品が溶け合い、
趣あふれる世界が広がっていました。
ブリティッシュショートヘアの姉妹猫が、
のんびりとお出迎えしてくれます。
吟優舎にご依頼くださったのは、6〜7年前のこと。
もともと町家に惹かれ、
この昭和住宅を購入されました。
「購入の際は、吟優舎さんに
『ここなら理想に近いリノベーションができるんじゃないですか』
と言っていただいて決めました」
あれから数年。
Y様はリノベーション後も、家づくりを楽しまれています。
「DIYが好きで。いろいろな人に聞きながら、全部自分で手をかけました」
そう語るY様が見せてくださったのは、
アジアの古い薬箱をアレンジしたオリジナルのカウンター。
吟優舎が設えた、なぐり調のカウンター。
そこに施主様の工夫が加わり、
唯一無二の場所へと育っていました。
リノベーション直後
現在
意外な発想。
モロッカンタイルと
アンティークの薬箱テーブルが
驚くほど美しく調和して、
まるでもとからそこにあったようです。

施主様のご要望で設置した、アンティークガラスのキッチンボード。

ダークブラウンの内装に合わせて吟味した、同系色のタイル。

存在感が大きい冷蔵庫には、施主様お手製の木製カバーを。

アンティーク市で見つけた椅子たちは、施主様自ら磨き上げて。
大正ロマンなペンダントライトがマッチ。

無機質なスイッチ類は、アジアのレリーフでおしゃれにカバー。

施主様がデザインしたステンドグラス。中央はなんと筍。
ちょっぴり年齢を重ねた猫ちゃんたち。
キャットウォークに上がることは減ったけれど
このお部屋がお気に入り。
猫たちが歩いて傷ついた無垢の床は、
こうやって補修。
「それも楽しいんですよ」とY様。
年月を経て、
お庭のもみじの木が、
すっかり大きくなっていました。
灯篭の上の苔がとってもいい感じ。
「全部に手をかけて思い入れが詰まっているので、全部が気に入ってます」
住み始めて5年以上。
その空間は、むしろ今がいちばんY様らしく輝いているように感じます。
リノベーションは終わりではなく、
新しい暮らしの始まり。
「住まいは育てるもの」
私たちもあらためて気づいた訪問となりました。
Y様による「お客様の声」も
合わせてご覧ください。
お客様の声
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2025年9月11日 2:11 PM |
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趣あふれる「賀茂川沿いの京町家リノベーション」。
第2回では、設備選びと内装の打ち合わせの様子をお届けします。
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vol.1
施主様とともに「ぴったり」を探す一日
この日、施主様と吟優舎の女性スタッフが向かったのは、タカラスタンダードのショールーム。
キッチンや洗面台などの実物を見ながら、ぴったりの設備選びをお手伝いします。
現地では、専門スタッフの丁寧な説明を受けながら、実物を見て、触れて、確かめられるのが魅力です。
吟優舎では、女性設計プランナーが同行し、キッチンや洗面台の色合い、寸法、そしてご予算とのバランスまで、細やかに寄り添いながらサポートいたします。
空間全体の調和を一緒に考えていくことで、「こんなふうに暮らしたい」が少しずつ形になっていきます。
施主様は身長が高めの方。
実際にキッチンの前に立ってみて、「もう少し調理台が高い方がいいな」と数センチ高めの設計に。
また、「大きなシンクはいらないから、調理スペースを広くしたい」とのご希望もあり、ひとつひとつを体感しながら、ぴったりの仕様を選んでいきます。
こうした細かなサイズ感を確かめられるのも、ショールームならではの魅力です。
午前の見学を終えて、午後の打ち合わせに備え、いったんランチ休憩へ。
お食事の間にも、暮らしのこと、ご趣味のこと、お好きな色や風合いのこと…。いろいろなお話を伺います。
吟優舎では、ご希望を深く理解することで、お客様の夢を形にしたいと考えています。
今回の施主様は、進化の研究をされている方。
こんなお話をしてくださいました。
「古いものが好きなんです。進化も、急に変わるのではなく、少しずつ、でも確かに形を変えて、元になるものは続いていくんです。
家もそれと同じように、古いものに少しずつ手を入れて残っていくものに惹かれます」
そのお話を伺いながら、私たちも思わずうなずいてしまいました。
住まいもまた、時を重ねながら少しずつ姿を変えていくもの。
このリノベーションも、そんな流れの中にあるのだと、あらためて感じます。
キッチンまわりには、ご研究にまつわるモチーフを取り入れたいというアイデアも。
ピクトグラム風のタイルで、さりげなく遊び心を添える予定です。
午後からは事務所にて、内装の打ち合わせ。
素材のサンプルや図面を広げながら、丁寧に一歩ずつ話を進めていきます。
ふと「今日はお打ち合わせばかりでお疲れではないですか?」とお声がけすると、やさしい笑顔で、こうおっしゃってくださいました。
「いえ、こうしてひとつひとつ選んでいく時間が楽しいんです」
このひと言に、私たちも心がほどけるようでした。
インスタグラムでこの部分の動画を見る
大切な住まいづくりを、ともに楽しみながら進めていけること。
それこそが、私たちの喜びでもあります。
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2025年6月11日 4:37 PM |
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下京区六条『大正ロマン数寄屋造りの町家リノベーション』vol.6
After:リノベーション後の外観
六条通りにほど近い、100年以上の歴史を持つ京町家。
前回は完成編①として、ガレージや玄関まわりをご紹介しました。今回は庭に面したリビングやダイニングキッチンなど、住まいの中心となる部分をご紹介します。
前回までのお話はこちら→
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vol.4
vol.5
After:ダイニングキッチン
玄関から入るとすぐに広がるのが、ダイニングキッチン。
以前のキッチンは離れにあり、靴を履いて移動しなければならない不便さがありました。
今回のリノベーションでは、リビングと一体となるダイニングキッチンへと再構成。
家族が自然と集まり、ゆったりとした時間を楽しめる空間へと生まれ変わりました。
キッチンの造作カウンターも、「ただのカウンターではないものを」という施主様のご希望を反映し、なぐり加工を施した台の上にモザイクタイルをあしらい、デザイン性のある仕上がりに。
タイル選びのこだわり
施主様と吟優舎スタッフのLINEグループ会話
タイルは色の組み合わせひとつで、空間の雰囲気が大きく変化します。
施主様に4つのパターンをご提案し、お好みの色味を選んでいただきました。
こうした細やかなやり取りには、施主様と吟優舎のLINEが大いに役立っています。
完成したタイル部分
庭を生かした設計
Before:解体後の庭まわり
今回の設計で最も大切にしたのが、庭まわりの設計です。
After:完成後の庭まわり
町家ならではの美しい奥庭を最大限に生かすため、庭に面した窓から渡り廊下の出入口までを4枚ガラスとし、室内からも緑豊かな景色を存分に楽しめるよう設計しました。
広々としたリビングからは、四季折々の表情を見せる庭が一望でき、心地よい開放感に包まれます。
さらに、もともと庭の一部だった場所には、渡り廊下を設置。
ガラス窓を採用することで、冬の寒さを防ぎながら、年間を通して自然を身近に感じられる空間となりました。
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ご高齢のお母様のお部屋にも工夫を
廊下の奥は、ご高齢のお母様のお部屋です。
庭に面した大きな窓を設けることで、室内からゆっくりとお庭が眺められるようにしました。
吟優舎の町家リノベーションのこだわり
吟優舎のリノベーションでは、庭を設計の中心に据えています。
庭に面した和室(リビング)、浴室、御手洗いを庭に隣接した場所に配置し、どこからでも緑を感じられる住まいを目指しています。
可能な限り庭に面した広い開口を設け、光と風、そして庭の緑をたっぷりと取り込むことで、開放感あふれる心地よい空間を追求しています。
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2025年4月16日 5:09 PM |
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