上京区西陣、築100年以上の歴史がある京町家リノベーション『雅』、続報です。
(前回のお話はこちらvol.1)
「本当の京都を、日本だけでなく海外の方にも知ってもらいたい。実際に生活している京町家の空間を楽しんでもらいたいんです」。
そう仰る施主様。
長年の思いを観光・食事・鑑賞が楽しめるプライベート空間『あそんでいきなはれKYOTO』として形にするため、解体工事が始まりました。
床が取り払われ、中が見渡せる状態になりました。
立派な京町家ですのでとても奥に長く、京町家ならではの「鰻の寝床」の形状がよく分かります。
建物の両サイドに窓がないのは、京町家の特徴のひとつです。
床下の束石(つかいし)を設置しているところです。
束石とは、建築の床束(ゆかづか)を支えるための石材であり、建物の基礎部分に配置される重要な要素です。
掘り炬燵(ごたつ)だったと思われる跡のまわりに、束石を設置していきます。
束石は、地面の湿気から柱を守る役割も果たしています。
水回りの基礎施工部分です。
解体してみると既存の基礎の状態があまり良くなかったため、新たにコンクリートブロックによる補強を行いました。
町家リノベーションでは補強が欠かせません。
担当大工と弊社所長が部分ごとに状況を見て判断し、適切な補強を行っています。
解体が終わり、本格的に木工事が始まります。
ここからどんどん変化していくことでしょう。
ふと見上げると、廊下の庇(ひさし)に蝉の抜け殻がひとつ、くっついていました。
家の内側と外側(庭)との距離が近く、自然と共生する京町家ならではの風景に心が和んだ筆者です。
blogged by 黒川京子
2024年9月5日 5:29 PM |
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伝統的な文化とともに、古い町並みが残る上京区西陣。
この町に佇む、歴史ある京町家のリノベーションを承りました。
こちらの京町家は築100年以上。
京都市の制度によって平成14年に「歴史的意匠建造物」、そして今年には「歴史的風致形成建造物」の指定を受けた、由緒ある一軒です。
長年この町家にお住まいの施主様。
受け継いだ京都の町家を残したいという思い。そしてその空間を生かしたリノベーションのプランを何年も前から大切に温めてこられたそうです。
「京都らしい町並みがなくなっていくのは本当に残念。海外の人にも、もっと普段の京町家を体験してもらいたいんです。そこで町家の風情を生かしながら最新の設備を取り入れてリノベーションし、日本はもちろん海外の方に遊びに来てもらえるような場所を作ろうと思いました」
その長年の思いが、「観光・食事・鑑賞」が楽しめるプライベート空間『あそんでいきなはれKYOTO』の原点だと仰います。
「まず重要なのが、リノベーションです。お任せする工務店は、この思いをわかってもらえる方でないととずっと思っていました」
「歴史的風致形成建造物の指定を受けた町家には、リノベーションの規制があるんです。だから工事もいろいろ難しい。ある工務店には『よう触らん(工事できない)』と言われたこともあります」
そのため、工務店選びには長年かけてこられたのだとか。
吟優舎にご依頼くださったのは大変光栄なことです。
今回のリノベーションは「普段の京町家でお食事やお座敷遊びが体験できる贅沢で優雅な施設」がテーマです。
「お店に来てもらうというよりも、お家に遊びにおいでよという気持ちを込めているんですよ」
京町家本来の佇まいを大切にしながら、新たな空間として生まれ変わらせる。
大変重要な任務を承りました。
少しずつこちらの様子をお届けしていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
blogged by 黒川京子
2024年6月23日 4:40 PM |
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