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昔ながらの趣を生かしたファサード
施主様は、ある日味わったかき氷のおいしさに感動し、その魅力を多くの人に届けたいと研究を重ね、ついに開業を決意されました。
「和の趣を生かしたお店にしたい」と探していた中で出会ったのが、この茶屋。外観は当時の面影をそのままに残し、訪れる人をやさしく迎え入れます。
ファサード② 印象的なショーウインドウ
もとのショーウインドウはそのまま残し、小さな展示スペースとして再活用しました。そこに置かれた昭和初期のレトロなかき氷器は、訪れる人の目を引くシンボル的な存在に。
入口には丸型のレトロデザインの照明を。揺れる暖簾の美しさを一層引き立てています。
店内へ誘う景色
店内には、かつて通路が置かれていたと思われる段差がありましたが、全面をフラットにして歩きやすく、ゆったりとした空間に。
客席から入口を望むと、向かいの町家格子が額縁に切り取られたように映り、静かな情緒を添えています。
ぬくもりが広がる店舗奥
厨房まで伸びる客席中央には、吟優舎の大工職人が丹念に加工した一枚板の通路(全長約6~7m)を設置。
自然の木の曲線をそのまま生かした姿は、空間の主役としてやわらかな存在感を放ちます。
階段下の押し入れはオープンにし、壁紙を切り替えて華やぎを添えました。
こだわりを映す家具と装飾席
店内のチェアには「カリモク60」を採用。1960年代の意匠を現代に甦らせた、使うほどに味わいを増す逸品です。
購入時には吟優舎所長が施主様に同行し、ともに一脚一脚を選びました。
壁を彩る木製レリーフは、干菓子の型をもとに制作したもの。弊社代表が集めていた型と、京都の小道具屋で見つけた型を組み合わせ、額に収めて並べるデザインを考案し、大工が丁寧に仕上げました。
鯛や花の繊細なモチーフが連なる壁面は、空間全体を引き立て、訪れる人の目を楽しませる装飾のひとつです。
作業のしやすさと趣を両立したキッチン
畳の部屋にあったキッチンは、動きやすくシンプルなレイアウトへと改装。かき氷機や器類をすっきりと置けるよう整えました。
出入口にはアンティーク建具を用い、機能性の中にも懐かしい趣を添えています。
茶室を思わせる通路と坪庭
店内奥のトイレへの通路は、茶室の「火灯口(かとうぐち)」をイメージしたアーチ開口に設計。
奥には小さな坪庭があり、ほっと一息つける空間になっています。昔ながらのガラスを建具に再利用し、往時の面影を今に伝える趣ある通路です。
レトロムードあふれる空間で特別なひとときを。
「建築や店内装飾に造詣が深く、和バラを愛する施主様のこだわりが息づく店内は、まるで映画のワンシーンのようなレトロな雰囲気に包まれています。
その中で味わうふわふわのかき氷は評判となり、夏には行列ができるほどの人気ぶりだとか。ご依頼いただき、心より感謝申し上げます。
※現在は京都市内を中心に施工させていただいております。
店舗情報
古民家を改装した「百笑」は、レトロで洗練された雰囲気のかき氷店です。アンティーク家具に囲まれ、静かな音楽が流れる店内で、ゆったりと上品なかき氷を楽しめます。
冬でも暖かく整えられた空間は、オーナーのセンスが光る情緒あふれるひとときを届けてくれます。滋賀を訪れた際には、ぜひ立ち寄りたいお店です。
氷茶屋 百笑様
滋賀県彦根市河原三丁目4-25
火曜日定休
※詳しくは百笑様のInstagramや公式HPをご確認ください。