ピックアップ施工事例

ピックアップ施工事例

伏見御香宮の古民家リノベーション 京都市伏見区

古く美しい町家が多く残る京都市伏見区。

「歴史的な街並みの伏見が好き。自分の住まいを直すなら、町家風にと思っていました」
そんな思いを抱かれていた施主様のご依頼を受け、歴史あるこの地にふさわしいリノベーションを行いました。

京町家らしい表情をまとい、ご夫妻の暮らしに寄り添う一軒。その歩みをご紹介いたします。

☆工事の過程は2024年4月3日からご覧いただけます。

※画像をクリックすると拡大表示します。

古民家から、蔵のような外観へ

吟優舎がご提案したのは「蔵戸をイメージした町家リノベーション」。
白壁に町家らしい格子を合わせ、玄関にはアンティークの蔵戸を設えました。
まるで蔵のような趣を放つ、新しいファサードの誕生です。

アンティーク蔵戸を再生した玄関扉

もともとこの建物には格子があったそうですが、その後の改装でアルミサッシの玄関になっていたとのこと。
新たな扉は、実際に使われていた蔵戸を採用。金具などの風合いを残しつつ補修・磨きを施し、再生しました。
吊り引き戸とすることで、重厚さを保ちつつもスムーズな開閉が可能です。

大正ロマン薫る玄関ホール

一般的な玄関土間から、墨モルタルに飾りタイルをあしらった空間へ。
天井には格子を施し、丸みのあるカサが可愛らしいアンティークのペンダントライトを設置。
大正モダンの薫りを感じさせる、あたたかみあるエントランスになりました。

白いタイルが輝くキッチン

時を経て古びていたキッチンは、すっきりと清潔感のある白いタイル貼りの壁に。
新しいシステムキッチンを導入し、現代的な使いやすさと町家らしさを両立しました。

本棚に囲まれたLDK

かつての和室を、キッチンからつながる広々としたLDKへ。
大変読書家でいらっしゃる施主様ご夫妻。お持ちの本棚と新たにご購入された本棚は、事前に配置場所を決定し、空間に調和するよう設置しました。
吟優舎では、家具や家電のサイズ・配置を事前に確認し、図面に反映します。
コンセントやスイッチも、最適な位置に設置でき、暮らし始めてからの満足度が高まるのが特徴です。

庭へと視線が抜ける座敷

LDKと和室の間には、三枚引込戸の襖を新設。
襖を開けると、奥庭の豊かな緑が視界に飛び込んできます。
両側に窓のない連棟の町家ならではの奥行きを活かし、開放感を演出しました。

庭を楽しむ縁側

草花と読書を愛する施主様のため、縁側を広くとり、大きな掃き出し窓を設置。
庭の緑が目に飛び込み、やわらかな自然光が室内に満ちる、心地よい眺めが広がります。
本を読みながら穏やかな時を過ごせる、やさしい時間が流れる場所になりました。

茶室を思わせるアーチの廊下入口

縁側から水まわりへと続く廊下の入口は、茶室の火灯口(かとうぐち)をイメージし、柔らかなアーチ型に。
お風呂へ向かう道すがらにも、期待感が高まるよう設えました。

庭を囲む洗面とお風呂

もともと廊下の奥にあったシャワーとトイレは、庭を囲むよう再構成。
浴室の窓は、湯船に浸かりながら緑を眺められるよう、あえて低めに設置しています。
庭とつながる水まわりが、暮らしに豊かさを添えています。

緑が輝く庭

庭の奥にあった倉庫を撤去し、植栽を整え、陽光が差し込む明るい庭へ。
草花をこよなく愛する施主様のため、季節のうつろいを感じられる、美しい庭が生まれました。

連棟の古民家が、重厚な蔵戸のある町家へ。

火灯口のアーチや墨モルタルの玄関、本棚に囲まれたダイニング、そして緑あふれる庭の風景。
それらが織りなす静かで豊かな時間が、この家を包んでいます。
四季折々の光や風を受けとめながら、伏見のまちに溶け込むように佇む住まい。
ご夫妻の日常が、ゆるやかに、心地よく育まれていきます。

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