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より洗練された表情へ──ファサード
町家の象徴ともいえる格子が施されたファサード(正面)。
重厚感と趣のある佇まいを保ちながら、建具を丁寧に整え再利用。玄関扉まわりのライトなどの細部は新調し、上品で洗練された印象に仕上げました。
歴史を伝える標識と切り文字看板
この町家は、2002年に「歴史的意匠建造物」、2024年に「歴史的風致形成建造物」の指定を京都市から受けています。
その証である標識を設置しました。
店名・ロゴ・デザインはすべて施主様によるもので、吟優舎では切り文字看板のオーダーと設置をお手伝いしました。
お客様を迎える玄関ホール
土間に敷石が埋め込まれていた、町家の玄関。 新たにモルタルを入れ、壁にはクロスを貼り、すっきりとした現代的な空間へ。
インテリアに人一倍のこだわりをお持ちの施主様が選ばれた、スタイリッシュな黒豹のオブジェがお客様をお迎えします。
おもてなしの中心となるダイニングキッチン①
もともとの四畳半と続き間の座敷をひとつにし、広々としたダイニングキッチンに。 中心には、施主様が選ばれたアイランドキッチンを据えました。
普段はご家族の台所として、時には出張シェフが腕を振るい、会話と料理を楽しむおもてなしの場として活躍します。
ダクトも設置し、まるでレストランのような設備となっています。
瀟洒なインテリアが映えるダイニングキッチン②
立派なシャンデリアや、紫に金刷の京唐紙襖など、施主様の美意識が凝縮された空間。
古い木材と新しい意匠が驚くほど調和して、独自の世界観が広がります。
舞妓さんを迎えるお座敷
舞妓さんが訪れ、お座敷遊びの場となる部屋。お庭の緑が目に飛び込むよう、開口をできるだけ広く取り、ガラス戸を設置しています。
DKとお座敷の間には、晒竹(さらしたけ)のパーテーションを設置。繊細なオブジェのような存在感があり、空間をより洗練された雰囲気に高めています。
洋室と吹き抜けに生まれ変わった火袋
かつての「おくどさん」があった空間は、長年の煤(すす)を取り除き、上部の火袋を活かして吹き抜けに。
ペンダントライトを吊るし、明るく開放感のある空間に生まれ変わりました。
古さを美しさに変えた洗面まわり
半屋外の廊下奥に配置されていた水回り。既存の基礎が劣化していたため解体し、コンクリートブロックで補強したうえで新たな床を施工。
町家の伝統的な構造を尊重しながら、現代の快適さも兼ね備えた空間へと整えました。
緑が冴え渡る庭
「曽祖父の時代から受け継いだ真黒石(まぐろいし)を継承し、石が美しく見えるような庭造りがしたい」
という施主様のご希望をもとに、市中山居を思わせる庭を設計。
吟優舎では、職人と協働しながら、時を超えて受け継がれる庭づくりを行っています。
【その他】掘り炬燵の跡と再生
解体時に見つかった掘り炬燵の跡。
新しいお座敷にも設備を組み込み、畳を一部外すと掘り炬燵として利用できるよう設計しました。
【その他】黒竹(くろちく)の欄間がつくる美
窓際の欄間には、繊細な意匠を施しました。選び抜いた細い黒竹の先端だけを使い、職人が「一・二・三(ひふみ)」のリズムで美しく並べています。
曇り調のグラデーションガラスを組み合わせ、さらに縁側の軒裏も美しく仕上げ、室内からその表情が楽しめるように設計しています。
築100年を超える京町家のリノベーション。
「住まい」でありながら「おもてなしの場」として、新たな表情をまといました。
西陣のまちに溶け込む静かな佇まいの中に、訪れる人々の心に残る、贅沢であたたかな時間が流れる場となりました。
歴史的意匠建造物のプライベート空間、贅沢で優雅な「あそんでいきなはれKYOTO」様。
舞妓さんとのお座敷遊び体験など、非日常な京都時間を楽しめる場所となっています。
詳しくはホームページをご覧ください。
『
あそんでいきなはれKYOTO』